ピックアップ情報 第8弾
山形県産木材を使った住宅建築を促進するため、山形県がローン金利の一部を補助する「山形の家づくり利子補給制度」で、2017年4月から新たに、中古住宅の購入が補助対象に加わりました。この制度によって比較的リーズナブルな物件を求める若者にも住宅を購入しやすくする狙いもあるようです。
自社で山林を持ち、白鷹町の県産木の活用と価値向上を目指す、丸ト建設株式会社 取締役総括部長井上正市さんと設計部の佐久間京子さんに、県産木を扱う取り組みについてお聞きしました。
地元白鷹町の木を扱うようになったのはここ2年ほどのことです。白鷹町が地元白鷹産の木を使った建物に対し補助する制度が始まったのがきっかけでした。地元の木を使うと運搬費がかからないことが利点としてありますが、オートメーション化されている大手メーカーと比べると、設備環境が整っておらず、同規格材の大量確保や加工機関の面で大きな差ができてしまいます。そこで弊社では、一般に流通されている木材、流通材を規格したものはあえて外して、流通材では追いつかないような幅の広い規格のサイズをメインに取り扱っています。
しかし、県産木を使用して地元で作業をこなし、かつ販売していくとなると、コストがかかってしまい割に合いません。そのため、県産木の建物に対する補助金制度が拡大することによって、住宅建築でも地元産材の使用の活性化につながっていくことを期待しています。
木は必要な太さによって伐期を決めるのがほとんどです。大きくなりすぎても、ムダがでます。弊社の山林の木は、戦後に植樹された70年程の木です。山林はどんどん回していかないと、山自体が荒廃してしまいます。そうならないように、需要を高めてどんどん伐って、新たな芽を植えて、山林自体のサイクルを正常化することが、自然との調和のひとつと考えています。
木を運ぶには、車で直接乗りつけるところがまず重要となります。手前の山の持ち主と共同で切って道までのルートを作り、運搬することも必要となりますので、森林組合の協力もたいへん必要となりますね。
また、弊社のような建築業者が山林をもって自社で乾燥し加工する設備に投資しても、実際に木を切る林業の人手不足などの問題もあります。このような補助金制度によって、利用者が増えることで、林業・建築業の双方の育成に繋がればいいと感じています。
ぬくもり、安らぎ、やわらかさ、といった点で木の家はたいへん人気があります。また、構造体としても木は見直されてきています。建築物の寿命は鉄やコンクリートだと100年、200年持つとされますが、木は、日本の伝統建築からみれば1200年以上その形を保っているものもあります。
耐久性と柔軟性しかも軽いという利点を活かし、湿気に弱いなどの欠点をカバーすれば、大変優れた素材です。火に弱いというイメージを持つ方がほとんどだと思いますが、例えば大断面の構造として使用した場合、表面が炭化することで中までは焼けず、鉄骨のように高温で弛むことなどはありません。もちろん、錆びることもありません。
弊社のような地域密着の建設事業者は、比較的高くなりがちな木を多く使用した住宅でも、若い方が購入しやすい価格設定をした、独自のコンセプト住宅を提案しています。例えば、「木温‐カノン‐」では、無垢材や自然素材をたくさん使いながらも、太陽光や風の流れを考え、のちのランニングコストを抑えたエコな設計を行っています。「町屋×モダン」は先人の知恵が詰まった京町屋を現代風にアレンジしながら模索し、進めています。基本的に住む方の暮らしに合わせた自由設計ですので、オンリーワンの家づくりが可能となります。
実際に、三世代同居型3000万円の物件で、約200万円の利子補給が受けられる「山形の家づくり利子補給制度」に対応しました。補助金の申請は、県産材を何パーセント使用したかなどの計算もありますが、弊社側で行っていますので、お客様の手を煩わせません。
山形の木の家に住んでもらって、喜んでもらえれば協力も惜しみません。
補助金制度が拡大してきたことにより、地元の自然保護にもつながる県産木の利用拡大も期待できるようになってきました。実際に、お客様から「利用できませんか」と声がかかります。新築・中古住宅の利子補給制度をぜひ利用して、地元のぬくもりあふれる山形県の木の住宅に住んでみてはいかがでしょうか。
ピックアップ情報 第8弾
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